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CTMカップ決勝日 - 2003 マカオグランプリ
Posted by Eiichiro Sawa | Category: イベントダイアリー | Posted on 2003/11/14 16:49澳門グランプリ遠征 in 海外
昨日の予選結果と車載映像検証から決勝に向けての作戦を話し合った、今回ブレーキのキャパ不足は明らかである、絶対走行数も足りない!レースの状況で左右するが、常連マシンとの無理な競り合いは出来るだけ避ける作戦を採った。山岳区間では殆ど追い越しは不可能、高速コーナー区間で立ち上がり重視!スリップを付いて抜く事を考えてレースするように言った。マシンのセットも高速コーナー安定性重視に若干変更した。レギュレーションで変更になっているEK4のリヤウイングのせいなのか若干リヤの挙動が不安定に思える、国内のレースレギュレーションでは問われるかもしれない技であるが、ウイングの土台に2mmのワッシャーを入れ、若干角度を付けてはいたが、予選トップTEAMのマシンを見ると2mmのワッシャーどころか5mm位のカラーが噛ましてあった。
予選トップのマシンの予選時のタイヤは我々の物とは違う事は確認済みだ。決勝に向けてのタイヤもチェックする!またまた銘柄が違う、恐らく決勝用タイヤに変更したのであろう。なかなか小技が効いている。ATCSからの参加マシンはBFグットリッチ(ミシェラン)のコンパウンドナンバー8番が購入できる。それ以外の供給は無かった。
グリッドは4番グリッド!初参加・初走行からすれば上出来のポジションである、しかしロガー上車載映像から見ればまだまだタイムアップの要素は有る。ブレーキの容量不足は問題だが、決勝では一応より効くと言われるパッドには交換して望んだ。
ATCSシリーズクラスではトップポジションだった。前3台は100分台の争い、後ろも3台位が近いところに要る。レースになれば先頭集団が数台で争うことになるだろう。
レースではスタートが決まった!一時はトップにも追いついたが事前の予定通り引いてリスボアコーナーに侵入山岳区間に入った。リスボアコーナー侵入で絡むことが無かったので一安心した。しばらくはモニターに釘付けだった、香港TEAMのマシンはリスボア進入で4~5番手に上がったようだったが山岳区間で追突されクラッシュしてしまった。2~3ラップは2番手をKEEPしているがどうもラップタイムが上がらない、得意としている高速コーナーでも後続につつかれている様子・・4~5ラップ目には後続にリスボア進入で譲った、しかし3~4番手以降は大幅に開いている、5~6ラップ目にラップタイムが安定少し上がって52秒台が出るようになったが後続の追い上げも凄い!どうも飲まれる予感がした。セットミスをしたかもしれないと、もしかすると又ベルトが飛んだのか?と考えた。8~9周目リスボア進入で失速・・その後直ぐにSCフラッグが!SCを先頭に隊列が取られるがピット前を通過するエンジン音はおかしい!明らかにエンジントラブルが判った。SCが解除されたがレースできるパワーは無い模様、完走のみ走行に切り替えたようだ。生き残ったのは9台しかいない。至る所でクラッシュリタイヤしている過激なレースだった。
レース終了後ドライバーより詳しい様子を聞いたが、フォーメーションラップでドライブシャフトトラブルの兆候、舵角を入れると微震動が出てステアリングが引っかかる状態だったとの事、それで前半ペースが上げられなかった事が判った。高速コーナーでドライブシャフトがトラブルと、思わぬアンダーステアで即壁行きとなる。ホイルを見ると飛び散ったグリスが一面に付着していた。勿論ブレーキローターにも付着、制動力不足となりブレーキが抜け、シフトダウンでオーバーレブ(ロガー上では10000rpmチョイ)その直後エンジン音は3気筒になっていた。残念な結果に終わったが澳門GP挑戦はホントやりがいがあったように思う。日本からのプライベート参戦TEAMは皆無、香港TEAMとの協力関係は有るが地元プロSHOPでは無い。色々な物資面でのハンディー走行経験の少なさを考えると上出来な結果だと考えている。来年に向かっての目標が出来たような気がする。我々の挑戦は目標が無ければなかなか出来ないものだ。
地下ピットで知り合った台湾TEAMとのお別れショットである。彼らも我々の作業を興味深く見ていた、工具の貸し借りや色々な会話で何となく親しくなった。現地では我々が使っていたアライメントゲージやキャンバーゲージを譲って欲しいと言われ、使い方講習もして譲ってあげた。知り合ったドライバーから初参加で上出来の結果だと祝福してくれていたが我々が狙うは、自分らの手で納得のいくレースをする事・・今回のような消極的なレース展開は本望ではない。エンジンとシャーシもほぼOKなので後は操縦性と軽量化をどうバランスさせるかが課題になると考えている。日本のワンメークレースとは違ったおもしろさと奥深さが有る、現地では日本のレースメカニックの姿も多数見られたが殆どが、地元トップTEAMからの要請だろう。日本からの単独TEAMが皆無なのは寂しい。今、日本の経済事情等で言われている、日本独自の技術流失が始まっているように感じた。しかし我々は得る物はおおいに有った。
明日はギヤレースの決勝日、我々が造り現地でセッティングしたエンジンが問題なく完走してくれるかが心配だった。ダイナモセットすらした事がない仕様だからだ。幸い予選1の時、慣らし後の抑えたレブリミットでもピット前のスピードガン計測で総合6番手を記録B18Cではトップ!ギヤレースはF1の様に各セクションタイム・最高速がリザルトに出される。ドライバーは走行フィーリングも凄くパワフルと言ってくれている、帰りの便の都合上レースは最後まで見ることは出来ないが期待しておこう。
(澤 英一郎)